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保険金不払い問題とは、数多くの保険会社(生命保険会社、損害保険会社問
わず)が起こした、保険金(この場合、厳密には保険金とは言えない給付金や
配当金なども含める例が多い)を支払うべき事案及び保険事故に対して、
正当な理由無く保険金を支払わずにいた事件である。
数多くの保険会社がこのような保険金の不当な不払いを行っていたことから、
保険業界全体の著しい腐敗が明らかになり、社会問題になっている。
保険会社による保険金詐欺と言っても過言ではない。
後記の不払いだけに限らず、払い渋り、不当な示談など契約者・被害者の
無知に付け込む悪質な行為が行われている。

発端
生命保険では、2005年(平成17年)2月20日に発覚した明治安田生命保険による死亡保険金の
不当な不払いが発端となり、損害保険では、2005年2月に行われた金融庁による富士火災海上
保険の検査にて自動車保険の特約で不適切な不払いが見つかったことが発端となった。
以降、生保損保各社で保険金の不当不払い事案が次々と大量に発覚していくこととなる。

不払いの例
一般的には「保険金不払い問題」などとして一括りにされることが多いが、内容の異なる事案が
混在している。2007年3月の時点で、保険金の支払いに関する金融庁の行政処分は、生損保合
わせて7回・28社にわたり発出されているが、これらは不適切な不払い事案と支払い漏れ事案に
分けることができる。更に損害保険ジャパンに至っては不払いだけでなく、会社ぐるみでの
契約の捏造(社員の縁者等への名義借りなど)行為や印鑑の大量保有が原因で業務停止という
重い処分となっている。
さらにには、この他に契約上の不備による支払い拒否といった事案もある。
この契約上の不備というのが、営業担当者による告知義務違反を勧めるなど、保険会社側に
問題があったと言われている。
いずれにしても、不正に保険金が支払われず、保険としての機能を果たさない結果となっているこ
とには変わりはない。

不適切な不払い
この事案は、正当な理由に基づかずに保険会社が支払いを拒否していたものであり、
極めて悪質な行為といえる。
明治安田生命保険三井住友海上火災保険の行政処分はこれを理由としている。

次のような例がある。
  • 告知事項とは因果関係のない保険事故にもかかわらず、告知義務違反と言いがかりをつ
    け 支払いを拒否。 
  • 医師からの確定診断がない(したがって被保険者に病気の認識がない)病気を告知してい
    なかったとして、告知義務違反と言いがかりをつけ支払いを拒否。 
  • 医師に確認することなく、保険責任開始以前に発病したものとして保険会社の免責を適用 
  • 告知義務違反による契約解除が可能な期間を過ぎているにもかかわらず、保険会社が契
    約を解除 
払い漏れ
主契約に基づく保険金請求があったときに特約部分については請求がないため支払いを行わな
、といったケースが典型的な例として挙げられている。
損害保険会社26社に対し発出された行政処分はこれに該当する。 
保険会社側は「請求があったものだけ支払えばよい」と考えていたというが、契約者が保険の
契約内容を100%把握していない限りは支払い漏れが発生するのは当然の結果であり、
元々保険金を払う気がなかったのは明白である。

契約の不備を理由にする支払い拒否
保険会社の販売員や保険代理店が新規契約の獲得に走り、獲得契約数を1つでも多くするため
に本来引受出来ない契約を違法に締結してきた事などが問題となり、支払いの段階だけの問題
ではなく、保険販売員や保険代理店の契約段階の不適正が最大の問題である。
これは、契約段階で営業職員や代理店が不実記載や告知義務違反などを教唆し、保険会社とし
ての事実の確認を疎かにしておきながら、後で不備を指摘して契約の無効を主張する、といった
ケースが該当するものであり、実際、三井住友海上火災保険の行政処分の理由として「代理店
が被保険者本人からの告知を受けずに契約を行う等会社側に法令違反等があるにもかかわら
ず、告知義務違反が適用された事例」が挙げられている(金融庁による報道発表)
よく言われる、「保険屋は入る時にはうまいことを言って、いざ支払う段階になると払わない」
という典型的な事例で、保険代理店による詐欺行為といっても過言ではない。